二曲四隻の両面屏風。
藤沢市にある辻堂新市民センターオープン記念アートワークとして制作。同センター内3階ホワイエで展示。
表面には、施設裏にある辻堂団地の松林を撮影し、多重にモンタージュした『松図』。裏面には、松林の先にある辻堂海岸を航空撮影した『波図』を配置。
多くの両面仕立ての屏風が「金色と銀色」、「太陽と月」、「春と秋」のように二項対立的に題材を選択していることをふまえて、立地自体が背中合わせである「松林と海原」を題材とし、視点も「見上げた松林」、「見下ろした海原」というように対比させている。
また、屛風自身も部屋の内部空間に置かれる外部空間であり、折りたたむ方向によって内側は同時に外側になりさえする矛盾を備えている。